top of page

まえがき

静かな屋敷の片隅で、わたくしは名ばかりの伯爵として日々を過ごしておりました。  
話し相手もおらず、時計の音だけが鳴り響く広い部屋。  
ただ、ひとつ──想像だけは、いつもわたくしのそばにありました。
 

 
ある晩のことです。
屋敷の外では雨が静かに降りしきり、その音に紛れて、ふと、誰かの気配を感じました。
「天気が悪い時には、ミルクティーがおすすめなの」
そう耳元でささやいた声が、わたくし自身のものであったのか──
それとも、本当に誰かがあのとき傍にいたのか。今となってはもう、確かめる術もございません。

けれど、それをきっかけにしてでしょうか。
気配は日ごとに増してゆき、やがて屋敷には“彼ら”が集うようになりました。
名前も姿もさまざまな住人たちが、まるで昔からそこにいたかのように、

自然にわたくしの世界へと現れたのです。

気づけば、わたくしは彼らの物語を“書きとめる者”になっておりました。

 

この物語は、孤独な伯爵の屋敷から生まれた、ささやかな幻想にすぎません。

けれど──もし、あなたが扉を開き、この世界に足を踏み入れてくださるのなら。

その瞬間、この幻想は、ほんの少し現実へと近づくことでしょう。 

お好きなときに、お好きな扉からお入りください。
わたくしの屋敷の住人たちは、きっと、あなたをお迎えする準備を整えております。

​目次

※キャラクターアイコンをタップして閲覧してください

スクリーンショット 2025-06-08 222144_edited_edite

【 Lowm 】

1.プロローグ

スクリーンショット 2025-06-08 222512_edited_edite

【 Hime 】

1.プロローグ

2.子羊と悪魔

スクリーンショット 2025-06-28 170947_edited.jpg

【 Dr.Maler 】

1.序章(背景)

2.人魚の血

Contact Me

  • Youtube
  • Twitter
bottom of page